気温4300度の不思議な惑星(ホットジュピター)「KELT-9b」

   

まもなく七夕ですね。
七夕といえば天の川ですが、しっかりと見たことはありますでしょうか。
天の川は無数の恒星が集まり、その密度の高い部分です。
基本的に夜空で光って見えるのは恒星と、太陽系の惑星です。
恒星は自ら光を出しておりますが、惑星はそうではありません。
地球から肉眼で見える惑星は、太陽の光を反射しているのです。
さて今回のお話は、自らは光を発さないにも関わらず、とても温度の高い惑星についてです。

ホットジュピター

ホットジュピターという言葉をご存知でしょうか。
木星ほどの質量を持っていながら、恒星からの距離が小さい惑星のことをそう呼びます。
(太陽系外惑星の1分類です。)
地球と太陽までの距離を1天文単位といいますが、ホットジュピターと恒星の距離は大体0.05天文単位です。
恒星と近いためにその熱風を受け、表面温度が高温になっていると思われます。
恒星から受け取るエネルギーは、地球の数百倍になる計算です。
ホットジュピターにも当然それぞれ個性がありますが、ある程度に通った点もあります。
・質量が大きく、公転周期が短い
・公転軌道が真円に近い
 恒星の摂動や潮汐力によるものと考えられています。
・密度が小さいことが多い
 恒星の熱により大気が膨張していると考えられています。

KELT-9b

KELT-9bは、2015年に惑星だと確認されたホットジュピターです。
地球からはくちょう座方向におよそ650光年の位置にあります。
木星よりも2.88倍重く、1.89倍半径も大きい惑星です。
密度は木星の半分程度。
公転周期は1.5日なので、1日半で恒星を1周します。
巨大ガス惑星としてはこれまで発見された中で最も熱いといわれ、その表面温度は約4300度にまで達します。
恒星から強い光、特に紫外線を受けているため、彗星のように大気が放出して尾を引いている可能性もあります。
太陽系を含めた惑星の形成過程の研究には、色々なタイプの惑星を調査する必要があります。
これまで高温の惑星の情報は不足していたので、これがその全体像を知るための手がかりになります。
私たちの生きている宇宙への理解、まだまだわからないことだらけですが、発見の度に少しずつ進んでいます。
たまには夜空を眺めて、そういった人類の挑戦に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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